00:前方不注意要注意
1 日本でのボンゴレリング争奪戦に負けた後、結局あのジジイには謹慎を言い渡された。たったそれだけかよ、と鼻で笑ってやったら、ジジイは一つ悲しげな顔をして頭を撫でた。その手を思いっきり払いのけた。 そんな胸糞悪ぃ愛情を誰が欲しがったって言うん…
01:御曹司と
1 結局流されるままに世話になることになってしまったは荷物を運んでいた部屋にあったベッドに腰かけた。ベッドは恐ろしい位にふかふかとしていて、心地が良い。上半身をそのまま倒せば体を埋めるくらいの柔らかさだ。 どさりと体をその白いシーツに埋めた…
02:二人の距離
1 ふと喉の渇きを覚えて目を覚ます。柔らかい布団の上、体の上には暖かい毛布が一枚かけられていた。気付けばベッドの端に座っていた重みがない。 のっそりと体を起こして窓の方を見たが、閉められたカーテンからはまだ光は差してきていなかった。時計に目…
03:幻想
1「、お皿いつもよりも一枚少なくていいわよぉ」「どなたか風邪でも引かれたんですか?」 白い皿を食器棚から取り出しながらは不思議そうに首をかしげた。ルッスーリアはそれに今日はマーモンがいないのよと告げる。「任務でね」「ああ、お仕事ですか」 赤…
04:大空の行方
1 腰に刀を携える。ベルトにかかる重みは人の命を奪うもの。「哲」「はい」 そう答えた側近の後ろには、銃を懐に隠した男たちが頭を垂れている。修矢は向けていた背中を返して彼らと向き合う。 静かな声。「計画が前倒しになったことは謝罪をする。すまな…
05:まだ
1 着替えを済ませては手当てを受ける。「哲さん。その、怪我をされた方たちは」「負傷した舎弟は皆病院に運びました。安心してください。とは言っても、病院に行く必要のない怪我なのは私と坊ちゃんくらいでしたが」 まだまだ鍛え足りません、と哲はの足の…