次こそ
頬を伝った汗を手の甲で拭う。ゾロは肺胞内部の二酸化炭素全てを吐き出すかのように、大きく深く息を吐いた。そして瓦礫の上に悠然と座って、さも楽しげな笑みを口に乗せている女へと視線を移す。 一体いつからいた等々質問は多くあるが、それ以上に不愉快…
03海賊時代 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
Happy Birthday
はっぴーばーすでーとぅーゆー。 灯された蝋燭の火を吹き消したことがあったろうか。クロコダイルは咥えた葉巻の煙をくゆらせながら、深く体をソファに埋める。きっちりと隙間なく着込んだシャツの袖、カフスボタンを右手で触れ、その精巧な細工に目を細め…
03海賊時代 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
そんなことはないのだろうけれども
湯煙の先で、傷痕の上を水滴が走り落ちる。透明な湯の中に浸された体は、僅かながらも凹凸が存在し、体を分断するかのように走っている古傷からは気泡が一つ二つを零れて水面に空気を弾けさせた。 狭い、とは言わないまでも、決して広くはない湯船の中で四…
03海賊時代 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
心配性の
1 うん、と一つ大きな伸びをして、人のベッドにその体を勢いよく放り投げる。ぼすんと倒れたその体は大の字に広げられている。圧し掛かってやろうかと嫌らがらせ心が多少なりとも芽生えかけたが、久々の再会に水を差すこともあるまいとクロコダイルはベッド…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
海賊だからな
1 と、男は言った。 部屋を埋め尽くす程に大きな鳥が一羽、机の前に在るソファに腰かけていた。座るべき場所にはその大きな足が乗り、背を預ける部分に尻を乗せる。この子はまともに椅子に座ることができないのだろうかと疑問に思いつつ、もう一羽の鳥は開…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
さよならではなく
船は穏やかな波に揺られていた。帆を畳み、錨を海中に垂らしているので、ゆるゆるとしか船は前に進まない。波のたゆたい一つをその体に受けながら、船はゆっくりと進む。春島、もしくは秋島が近いのか、気温湿度共に肌に心地良く、気候は安定していた。 は…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
手に馴染む
女は退屈そうに、甲板の上でギプスを鳴らした。左右重みの違う足、その片方には白い物体ががっちりと付いており、重たくて仕様がない。 マルコぉ、とは溜息交じりに房を模した髪を持つ、なで肩の男に声を掛けた。だが、取りつく島もなく、マルコはふるりと…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
The blue bird
帆船であるこの船のマストは、追い風に乗せて大きくその帆を膨らませた。ばつん!と小気味よい音がマストを叩き、青い空に響かせる。本日青天。雲一つな気素晴らしき空がそこには広がっていた。とはいえども、グランドラインの気候は変わりやすく、この天候…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
君に遺す
1 空に浮かぶ白い雲の保護色で一羽の猛禽類は広すぎる程に広すぎる空で風を拾いながら、なめらかなラインで翼で一度空気を押し出し前進する。空における捕食者は存在しないため、何ものにも怯えることなく空を飛ぶ姿は一つだけ足の速い雲に見える。 ヤッカ…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
Go to the sea
嫌な感じがする。 ドフラミンゴは軍艦の上でぼんやりと凪いだ海を眺めながら、小さくなって、既にもう点のようにしか見えない島を眺めた。それも水平線の向こうへと消え去ろうとしている。なんだろうか、とドフラミンゴは思う。そして、唐突に側にいた海兵…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説
甘えたい、それだけ。
男はベッドに倒れ込んだ。 大きな体がもっすりとベッドシーツを宙へと舞わせながら、沈み込む。沈没。そのままぴくりとも動かなくなった体に手足に枷を嵌められたままだったは怪訝そうに眉根を寄せた。ぐったりと倒れ込んだ体は普段のように不愉快な笑みを…
02監禁生活 ONEPIECE 七武海剥奪 夢小説