01頂上決戦

邂逅

1「わっしも」 そりゃあ驚きましたよォ。老いをその年の数だけ体に刻んだ男は、泡の一切入っていない氷が溶ける音を聞きながら、そう隣の髪の毛が大層膨らんでいる海軍本部における唯一の上司に向けてそう告げた。年配の人間は指を折ればそれなりにいるが、…

You need him.

 金品を没収されると言うのは、囚人として、まぁ至極当然と言えば当然のことである。嵌めていた指輪が取り除かれる様をどこか客観的思考で眺めながら、クロコダイルは静かにそんな事を考えた。ほんの少しだけ己の熱を持った指輪が親指、人差し指、中指、小指…