雨垂れ石を穿つ

寒気

 鳥肌が立つような冷気が足元を這う。 エミリーは寒気から体を震わせ、腕をさする。視線を滑らせれば、開いた窓から流れ込む風でカーテンが持ち上がっていた。夜の風は冷たい。そのせいだろうかとエミリーは思いつつ、開いたままになっていた窓を閉め、鍵を…